・マシンビジョン標準規格書の入手は 規格書ダウンロードからお願いします。
(SLVS-EC規格書の入手は G3会員限定標準規格からとなります。)
・マシンビジョン標準規格の紹介は こちらです。
・分科会への参加登録・登録変更手続きについては こちらをご参照ください。
佐久間 恒雄(株式会社レイマック)
標準化委員会(Standardization Committee)は、JIIA活動の大きな柱の一つである標準化活動を推進しています。業界標準となり得る技術仕様の策定・規格化、規格化された仕様のマシンビジョン業界への普及などが主な標準化活動となります。
標準化委員会としては、効果的な活動を推進するために、海外の標準化団体(AIA、EMVA、VDMA、CMVU)とも協調し、年に2回(春、秋)開催される国際標準化会議(International Vision Standards Meeting: IVSM)に積極的に参画しています。近年の潮流であるIndustrie 4.0やOPC-UA等々の情報を共有しながら、他業界団体と連携しながら標準化活動に取り組んでいます。
標準化委員会では、技術仕様毎に分科会(Working Group)を設置し、標準化作業を行っています。各分科会は、専門知識を持ったスペシャリストで構成され、作業部会(Task Force)を置くなどして、様々な技術仕様の検討や標準化、また、普及活動を効率的に進めています。
また、標準化委員会及び分科会主査で構成される標準化委員会会議を定期的に開催し、各分科会間の連携を図りながら標準化作業を行っています。
主査:鈴木 禎(平河ヒューテック株式会社)
CoaXPress®は同軸ケーブルにてデジタル信号を伝送するカメラインターフェース規格です。マシンビジョン用途として、カメラとフレームグラバーを1本の同軸ケーブルで繋ぎ、最大12.5 Gbpsのデータ転送とカメラ制御を同時に行い電源も供給可能です。更に、複数本のケーブルを用いることで12.5 Gbpsを超える高速な画像転送を実現します。次のバージョンでは光ケーブルなどのメディアを使用できるようになります。
分科会では規格文書及び技術資料の作成、ならびに規格認証のための電気特性適合試験や相互接続試験を運営し、規格や適合製品の普及活動を行っています。
主査:赤秀 美穂(ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社)
昨今のIIoT、Industrie 4.0の潮流の中、JIIAはG3と協調しながら、Embedded Visionの規格化検討を進めています。2018年にはEMVA主幹のEmbedded Vision Interface Standard策定のためのWorking GroupであるemVisionも発足しました。
本分科会では、このemVisionの重要な構成要素のひとつでもあるイメージセンサー-プロセッサー間インターフェース規格であるSLVS-EC(Scalable Low Voltage Signaling with Embedded Clock)の標準化を中心に活動を行っています。最新VersionであるSLVS-EC IF規格 Version 2.0では5 Gbps/laneまで対応しています。本分科会ではSLVS-ECの標準化を含めemVisionにも積極的に参加し、Embedded Visionに関わる情報の共有、及び、G3への働きかけを行います。
(標準化委員会により維持管理)
最近のマシンビジョンカメラでは、CCDカメラからCMOSカメラへの移行が進んでいます。最新のCMOSイメージセンサーでは出力信号が高速化されており、高速インターフェースのニーズが高まっています。
この流れに伴い、G3標準インターフェースとしても、CXP、CLHS、USB3 Visionなどの高速インターフェースの標準化も検討され、規格化も進んでいます。
これら高速化インターフェースの伝送媒体としては、従来のメタル伝送の限界もあり、光伝送の需要が、より一層高まってくると思われます。
そこで、本分科会では、MV業界での光伝送システムに向けた標準伝送媒体を検討しています。
当初、多様なニーズに対応するため、4タイプの方式をG3に提案してきましたが、その内の2タイプについては検討が終了し、標準規格として制定しました。
その他の2タイプについては、開発中止となりましたが、その後、新規提案が1件追加され、現在、検討を継続中です。
(標準化委員会により維持管理)
『Camera Link®』 は、A3によって規格化されたG3標準規格で、現在最も普及しているデジタルインターフェースの一つです。JIIAでは、より便利な規格となることを目指し、様々な活動を積極的に推進し、PoCLやPoCL-LiteなどをVersion 2.0で規格に盛り込みました。本規格は、2000年の規格制定後、普及が進み、HDR/SDRコネクタ勘合問題などの市場トラブルがありましたが、Version 2.1として規格改定を行っています。また、MV市場の高速化に伴い、現規格では、伝送におけるトラブルも発生する可能性が高いため、コンプライアンステストの導入やカメラ制御の共通化を目指したGenICamへの対応を含め、大幅な見直しとなるVersion 3.0の提案も検討されていますが、現時点で、具体的になっておらず、JIIAとしては今後の動向を注視しています。
主査:永尾 裕樹(NECプラットフォームズ株式会社)
『USB3 Vision』は、USB 3.0インターフェースを採用したマシンビジョン規格です。5 Gbpsの高速伝送と、PC標準搭載インターフェースによる低コストなシステム構築を実現します。
規格化はG3としての国際的な取り組みとして行われており、USB規格の規格化団体であるUSB-IFとも連携した規格化が進められています。ロッキング機構つきのType-Cコネクタ規格もその成果です。現在、最新のUSB規格は「USB4」となっており、転送速度はGen3×2仕様で最大40 Gbpsに達します。USB3 Vision規格でも、画像センサーの高解像度化/高フレームレート化に対応するため、最新の規格に対応していくことも検討されています。
USB規格の理解を深め、G3での議論を国内に展開しながら、また、国内としての取り組み等を行いながら、規格の普及を目指した活動を行っています。
(標準化委員会により維持管理)
『GigE Vision®』は、ギガビットイーサネットを利用したマシンビジョン規格です。100 mの長距離伝送、PC標準インターフェースによる低コスト、マルチカメラシステムを実現します。規格化の作業は国際的に行われており、これに合わせて当分科会では、国内への規格紹介や普及活動を行っています。また、照明機器のGenICam対応に伴ったGigE Visionインターフェース搭載を照明分科会、GenICam分科会と連携を取りながら、国内への普及を推進しています。
主査:中川 進(合同会社SharWiz)
Industrie 4.0や中国の製造2025などの工場の自動化、ロボット活用が進む中で今後ますますMVシステムの活用が増えてくると思われます。それに伴い、今まであまり見られなかった品質問題も多発する事が懸念されますが、これがMV業界の発展を阻害する恐れがあります。
コネクタ&ケーブル認証分科会ではこの予防策として各MV規格に対応するコネクタとケーブルについて認証制度をつくり、市場での品質問題を防ぐ活動を海外も含め推進していきます。
主査:遠塚 弘(株式会社レイマック)
インダストリー4.0が言われ、モノづくりの環境がスマート化へ急速に進んでいます。製品を評価または検査するプロセスにおいても、AIが普及したことで自動化へ大きくシフトし、画像処理系が必須アイテムとして捉えられることが増えてきました。
当準備部会は、モーション分野に用いられるフィールドネットワークであるMECHATROLINKにビジョン系がシームレスに接続できる環境を整備している活動になります。
JIIA以外の団体:MMAと協業している点に特徴があります。他分野で抱えている課題に対し、アイデアを出し合い解消するべく標準化に取組んでいます。
その先に目指す処は、新たな付加価値の創出です。日々、進化するモノづくりの環境においてシステムのベースを担うモーション分野にビジョン系がより一層機能できる仕組みを検討していきます。
ご意見、ご要望を当準備部会までお願い致します。
主査:岸 順司(東芝テリー株式会社)
『IIDC2』は、カメラモデルやインターフェースの種類に依存しないカメラ制御方式を提供する標準規格です。シンプル性・拡張性を特徴とし、JIIA主導で規格化を推進しています。設計資産の共通化による設計コストを低減し、ユーザーの製品選択の幅も広がります。業界標準として広く普及しているGenICamとの協調性も考慮しながら規格化を行っています。より使いやすい規格になるよう、規格の拡張や普及活動を推進しています。
(標準化委員会により維持管理)
『GenICam』は、カメラの制御における共通プログラミングインターフェース仕様を定義した標準規格です。カメラモデルやインターフェースの種類に依存しないプログラミング環境を提供します。照明機器などの周辺機器の制御にも対応し、レンズ制御の規格化も進行しています。GigE Vision分科会、USB3 Vision分科会、また、照明分科会、レンズ分科会とも連携をとりながら、規格の普及を推進しています。
主査:遠塚 弘(株式会社レイマック)
産業用画像システム向け照明に関する活動として、照明系設計に必要とされる照明設計の方法論、照明製品の性能測定や仕様表記などを対象に、規格・ガイドラインの提案や標準化、技術文書化、普及活動などを推進しています。 GenICamの照明制御対応の活動にも参加しており、GenICamのSFNCの照明に関する拡張、GenICam対応照明機器の動展示にも取り組んでいます。
主査:山口 裕(東芝テリー株式会社)
産業用カメラ用レンズ,光学系,及びその周辺技術に関する標準化を推進しています。
近年,高画素・大型化が進むエリアセンサー,及びラインセンサーに必要とされる光学技術を検討,提案することで,ユーザーにおいて光学性能を生かし,且つロバスト性や使い勝手の面でより優れた光学技術仕様の標準化を行っており,現在までに『NFマウント』,『NF-Jマウント』,『TFL・TFL-IIマウント』,及び『Sマウント』など6つの規格の制定,ならびに『各イメージサイズ区分に対する推奨のレンズマウント』,『レンズ仕様表記項目指針』,及び『MVレンズ用語集』などの各種技術資料を公開しています。
またEMVAにて標準化を進めているOOCI(Open Optics Camera Interface)に参画し,GenICamによるレンズ機能制御(ズーム,フォーカス,絞り,及びパン・チルト)を検討するとともに,CMVUによるラージフォーマットセンサー用レンズマウントの標準化活動への協業も進めており,これらの海外動向にも注視しながら,標準化活動を推進しています。
(標準化委員会により維持管理)
産業用カメラ仕様に関する標準化を推進しています。
カメラ,及び周辺機器のアナログからデジタルへの移行にともない,性能仕様表示や用語の定義,また性能測定方法の指標を策定し『MV用エリアカメラ仕様表記指針』として公開しています。
またセンサー,及びカメラ性能の測定,ならびに表示法として,EMVAにて規格化され近年採用が増している『EMVA1288』について,普及活動を行っています。
(標準化委員会により維持管理)
静岡大学の高忠実色再現画像システム標準化準備委員会と協同して、測色的に色を再現する(XYZ3刺激値を等しくする)高忠実度色再現システムの標準規格を策定しました。この標準規格は、工場の品質検査、医療分野や電子商取引(通販)などの忠実な色再現が必要な分野での活用が期待されます。また、展示会、セミナーの機会を通してこの標準の策定の重要性の啓発活動を行っています。